相談役の極意

こないだ、ある人に悩みごとの相談をした。
大雑把に悩みを打ち明けた段階で、何の質問もせずに自分の見解を述べ出した。
しばらくおとなしく聞いていたが相談相手の肯定、否定の意見が空虚に思えて仕方が無い。
そしていつのまにかこちらが聞き手にチェンジしていた。
唐突に激しい怒りを覚え、できるなら黙って聞いててくれと言ってしまった。
そしてその相談相手はただ話を聞いてくれるだけになった。

話を黙って聞く。詳細を聞く。そのときどう思ったか、どうしたかったかを聞く。
それに対して否定しない。肯定もしない。自分の意見は言わない。結論も聞かない。
ひたすら続きを促し、聞く。

以上の行動に徹してくれるようになった。
すべてを喋り終えたあと、もう結論は出ていた。清々しい気分になった。